うつわ3:福光焼
久しぶりのうつわアーカイブ。
私がうつわ蒐集にはまったきっかけ…といっても過言ではない。
倉吉はとってものんびりした町で、老後はこんなところに住みたいって本気で思ったのを思い出す。
ガイドブックに載ってた小さなカフェは、おいしいコーヒーとカレーを出すすてきなお店だった。そして使われている食器はすべて鳥取の焼き物だと説明してくれた。
それが福光焼との出会いでした。
だいぶぼかしてるので分かりづらいが、この黒いカップ&ソーサーが福光さんのである。
まず、形がとてもいい。ちょうどよい重量感と安定感があって、手にしっくりくる。
次に色味。墨でぬりつぶしたような黒ではなく、深い海の底みたいな、火が通った瞬間がなんとなく想像できるような、しっとりした黒。
最後に、これはうつわのおかげもあると思うから書くけど、コーヒーがとても美味しかった。ブラックでも大丈夫なくらい。
この一杯が、まるごと”丁寧な手仕事”を体現しているように見えた。
思わず欲しくなって、お店の女の人に初めて「どこのうつわですか」って聞いてしまった。
そこで初めて福光窯のことを聞く。ここからそんな遠くないよ、って教えてくれたから行けませんかね、って聞いたら、わざわざ電話をかけてくれた。
でも残念ながらお盆休み真っ只中で休業中だった。
まあ仕方ない。カレーもコーヒーも信じられないくらいおいしかったし、このカップに出会えたことに感謝しつつ、お店を出て散策。
ちなみに、お店は「夜長茶廊」というこれまた名前も素敵な喫茶店です。
倉吉へお越しの際はぜひ。
ぷらぷらいろんなお店を見てたら、なんと。
さっきのうつわの白い版が売っているではないですか。
運命を感じた。黒は売り切れていてなかったけど、白というかアイボリーもすてきだったから、即決。
以来、家でラテを作るときはだいたいこれ。愛用してますよ。
また倉吉行きたいなあ。